
美容室を開業する時、物件の選び方で気をつけるべき2つのこととは?
目次
美容室を開業したときに、場所だけは変えられない
美容室を開業するときには、かなりの資金が必要になりますが、
初期費用の大半が「物件取得費」と「内装工事費」になっています。
さらに、これからの利益のことを考えると、どんな場所に出店するかでほとんどの要素が決まってしまうのです。
どんな場所に、どんな物件を買うかで、初期コストのほとんどが決まります。
どんな場所に開業するかで、どんなお客さんを対象として、どれだけ集客できそうか、採用できそうかが決まってしまうのです。
そこで、今回はその2つを中心に、誰でもわかる物件の基礎の基礎をご紹介します。
物件にいくらかけるかで、儲けは変わる
契約する物件の種類によって、物件取得費や工事費用は大きく変わってきます。
まずはその一番の基礎にあたる2つの物件の状態の説明をしていきましょう!!
その2つとは①スケルトン物件②居抜き物件の2つです。
スケルトン物件
スケルトン物件とは、内装などが何もない枠組みだけになっている物件を言います。
壁もコンクリ打ちっぱなし!!みたいなイメージを持ってもらればいいと思います。
この状態の場合は、内装をはじめ、設備系の工事は開業者が行います。
自分の思い通りの美容室をつくることができるというメリットがありますが、その分工事費はかさんでしまいます。
■メリット
・店舗のデザインを自由に設計することができる
・前のテナントの状態に影響を受けない(配線や内装設備)
■デメリット
・ほぼ0からの工事になるので、比較的工事費用が高額になる
・工事量も多いので、工期が長くなってしまう=開業に時間がかかる
居抜き物件
居抜き物件とは、前のテナントが使用していた内装などが残っている状態をいいます。
つまり、前のテナントがラーメン屋なら、水回りやカウンターの設備がそのまま残っている状態です。
前のテナントの内装設備をそのまま引き継げる物件のことを居抜き物件といいます。
状態が納得のいくものなら、そのまま使うことができるので、工事を抑えることができます。
初期投資を少なくできるのは、嬉しいですね。
ただ、理想のかたちの物件を探すのは至難の技です。
一部だけ改装すればいいや!と簡単に考えていると、配線や水回りがうまくいかなくて、思ったよりコストがかかってしまうこともあります。
■メリット
・内装設備をそのまま使うことができれば、大幅に初期コストを減らすことができる
・準備することが少なく、開業までの時間を短縮できる
・前テナントが美容室なら、地理的にお客さんを引き継げる可能性もある
■デメリット
・前テナントのイメージが強いと、その影響をかなり受ける(店舗の基礎部分のデザインで)
・設計デザインの制限が伴うので、思い通りのデザインにすることが難しいことがある。
<参考>
どこに出店するかで、儲けは変わる
どこの地域のどの場所に出店するかで、どんなお客さんがどれだけ来店してくれそうか決まってしまいます。
・東京の渋谷や表参道などの場所
・駅チカの場所
・住宅街の中の場所
・ショッピングモールの中の場所
それぞれで、どんなお客さんが中心になってくれそうかは違います。
売上計画をたてる際、どこの場所にお店をだすかは、非常に重要になってきます。
物件取得などのコストも考えると、物件を間違うと、ほぼ間違いなく潰れます。
エリアは3つの視点で考えるだけ
まず、商圏分析をしましょう。
商圏分析というのは、簡単に言うと、
この場所に出したら、こういう特徴のあるお客さんが、何人ぐらい来店してくれそう!!と読み取ることです。
主に、3つの視点から物件のエリアを診断していきます。
ここでは簡単にポイントだけまとめます。
①面=エリア一帯の特徴
②線=物件への導線の特徴
③点=物件そのものの特徴
詳しい説明はこちら
超シンプルな3つの視点の見方
①面=エリア一帯の特徴
■どんな街なのか
⇒どんな雰囲気の街なのか。どんな人が多くいる街なのか?
⇒商業地域か住宅地域か?
■どんな需要がありそうか
⇒その街にいる人は、どんな人たちなのか?
⇒どんな世帯で、どんな収入レベルか?
⇒学生の街か、ビジネスマンの街か、主婦の街か?
■競合店はどこか?(どれだけの供給があるか)
⇒そのエリアに出店している競合店はどんなお店か?
⇒競合店があまりにも強くないか?店舗数が多くないか?
⇒需要(お客さん)に対して、供給(サービス)が足りていないか?
⇒それを自分たちが解決できそうか?
■参考データ
・人口総数
・産業従事者数
・小売業年間販売数
・競合店舗数(HPBで地域検索してみる)
②線=物件への導線の特徴
■ターゲットが集まりそうな場所があるかどうか
⇒学校や学生が集まりそうな娯楽施設
⇒住宅地や家族で来そうな商業施設
⇒ビジネスマンが集まるビジネス街
⇒むしろターゲットを遠ざける施設などはないか
などなど
■店舗近くをどれだけのターゲットが通るか
⇒大きな通りの前で、人通りが多いのか
⇒路地裏で特定の人間だけが通るような場所か
⇒商業施設などの中にあるのか
などなど
■店前の交通量はどのくらいか
⇒自動車だけでなく、最寄り駅の利用者はどれくらいか
⇒そういった場所から距離はどれくらいか
■参考データ
・近隣導線交通量
・周辺駅降車人数
③点=物件そのものの特徴
■集客を阻害する要因はないか
⇒同じ建物にターゲットが拒む施設はないか
⇒隣接している建物に上記のような施設はなにか
■アクセスはしやすいか
⇒路面店か空中階か、地下か
⇒エレベーターやエスカレーターなどはあるか
⇒建物の存在自体がわかりやすいか
⇒店舗の入口がわかりやすいか
■外から中がわかりやすいか
⇒店舗入口のガラス張りのサイズ感は小さくないか
⇒店舗の雰囲気をそとから感じることができるか
■参考データ
実際に物件周辺をお客さんのつもりで歩いてみる