
美容室を開業するとき融資はもらえる?必要書類や手順を総まとめ!
美容室の開業には何と言っても自己資金の金額がどれだけあるかがとても重要です。
といっても、全額自己資金なんて難しいですよね。。
でも、実績も経験もないのに融資なんて受けられるのでしょうか?
応えは YES!
目次
日本政策金融公庫の融資で資金調達をしましょう。
日本政策金融公庫で融資を受けるための流れは、二通りあります。
・認定支援機関という専門家を経由した場合
・認定支援機関を経由せずにご自身で行う場合
もし、認定支援機関に登録している専門家を経由するならば、【中小企業経営力強化資金】という制度を利用することができるようになり、「金利優遇がきく可能性が高くなる」「無担保で融資を受けられる」「無保証人で融資を受けられる」などのメリットがあります。
どちらの場合にせよ、日本政策金融公庫で融資を受けるための流れから説明しますので、ポイントを押さえてみてくださいね。
手順1.相談
【認定支援機関という専門家を経由する場合】
「融資専門・認定支援機関」で検索を掛けると、多くの企業が出てくるので、電話やメールで問い合わせてみましょう。
相談は基本的に無料となっている場合が多いので、融資の流れや審査に関する不安はまず相談すると良いでしょう。
【認定支援機関を経由せずにご自身で行う場合】
「事業資金相談ダイヤル」に電話をします。
0120-154-505 受付時間平日9時から19時
対応をしているのは、日本政策金融公庫のスタッフの為、初めて利用する方でも親切かつ丁寧に対応をしてくれるため、申込の前に利用することをオススメします。
手順2.訪問・打合せ
【認定支援機関という専門家を経由する場合】
問い合わせの後、電話やメールにて専門家より、融資を受けたい具体的な理由や今行っている事業、現在の状況等についての質問があり、場合によっては面談を行うこともあります。
【認定支援機関を経由せずにご自身で行う場合】
ご自身で行う場合は、お近くの日本政策金融公庫の支店窓口を訪問しなければなりません。(全国に152支店)
訪問する際に、のちに提出することになる「創業計画書」のわかるところを記載し、持参することで、具体的な相談を公庫が担当してくれます。
手順3.必要書類や添付書類の準備
通帳コピー半年分
過去2年分の源泉徴収票又は確定申告書
不動産の賃貸借契約書(店舗分及び自宅分)
運転免許証コピー
印鑑(印鑑証明書と同じもの)
印鑑証明書
水道光熱費の支払い状況がわかる資料(3ヶ月分)
設備投資をするためには、設備投資のための見積書
法人の場合は、履歴事項全部証明書
担保を希望する場合は、不動産の登記簿謄本
借入金のある場合は、支払明細書(現在の借入残高、月々の支払額がわかるもの)
保険や、投資しているものがあれば、それがわかる書類
状況によって、必要書類が多少変わることがあります。
手順4.必要書類の作成・申し込み
【認定支援機関という専門家を経由する場合】
①創業計画書
②借入申込書
③事業計画書
これらはどれも日本政策金融公庫のHPより、ダウンロードできます。
専門家のアドバイスを受け、作成することができるため、より確実な書類を用意することができます。
また「事業計画書」を作成することで、利息が1%ほど安くなる、【中小企業経営力強化資金】制度の利用が可能となります。
また、準備作成をした書類の最終確認は専門家が行い、専門家から公庫へ提出されるので不備も心配もありません。
【認定支援機関を経由せずにご自身で行う場合】
①創業計画書
②借入申込書
どちらも自分で作成しなければなりません。
提出の際は、支店窓口へ提出をするか、郵送での提出も可能となります。
手順5.面談
都合の良い時間帯を調整し、融資日程が確定。
専門家がいる場合は、融資の同席をしてくれるケースもあります。
※専門家を通す場合には、この面談で初めて日本政策金融公庫へ訪問することになります。
面談は時間は、30分~1時間半程度。
面談は印象を良くするため、スーツでいくことをオススメします。
手順6.日本政策金融公庫の担当者が現地調査
開業予定地を公庫の担当者が確認し、審査の判断をします。
審査期間は、短い方で1週間、長い方で2週間以上かかることもあります。
手順7.融資決定
融資が決定となった場合には、必要資料が郵送で送られてきます。 その資料に記載終了後、返信用封筒に資料を同封し、返送します。資料が公庫に到着後、3営業日後に着金となります。
記載内容に不備があると、書類が戻ってしまい再提出となるため、融資実行までの時間が伸びてしまいますので、記載内容に不備がないかを注意しましょう。
融資が確定後、日本政策金融公庫と、借入の契約を行います。
契約書の作成には、200円の収入印紙1枚と、1万円程度の収入印紙1枚が必要になります。
1万円程度と記載した部分は借入金額によって、異なりますので、御注意ください。
500万円超1,000万円以下の借入の場合には、1万円の収入印紙が必要になります。
手順8.借入額が着金
指定した口座に着金されますが、ネットバンキングには着金することができません。
もし、ネットバンキングしかお持ちでない方は、ネットバンキング以外の口座を作成しておきましょう。
手順9.返済
返済は原則として月賦払いです。
返済方法は、元金均等返済、元利均等返済、ステップ(段階)返済などがあります。
創業融資の審査で重視されるポイントを確認しましょう
いざ融資を受ける際に、どうにもならない状況を避けるためにも、以下に4つの重要な項目をおさえておきましょう。
◆自己資金
銀行などが創業融資を行うかどうかを判断する材料の一つとして、自己資金はとても重要です。
理由は2点考えられます。
・自己資金が少ないと借入が多くなり、毎月の返済金額が大きくなることから、理美容室の経営を圧迫すると考えるため
・開業に向けしっかりと自己資金を貯めて準備してきた独立の本気度を判断する一つの指標となるため
出来る限り自己資金を正しいルートでしっかりと蓄積していくことをお勧めします。過去1年分の預金通帳の提出を求められるので、事前の急な一括振込では、借りたものであって自己資金とは言えないからです。
◆経験験年数・経験内容・能力
通常の経営における融資では、過去の決算書から業績などに基づいて審査が行われますが、創業融資においては、過去の実績というものが存在しないので、美容室での勤務経験や行動に基づいて判断していきます。
長く安定して働いてきたという着実性も大事ですが、業界経験の中でどのような職務を経験してきたかがもっと大切です。
美容室の経営者になるという事は、美容師としての技術や接客は当たり前の事であって、経営者としての能力や管理者としての能力が必要となってきます。
例えば、店長やマネージャーとして、売上目標やお金や備品管理等の経験など、店舗を運営するという経営に近い経験をしていたいうことも重要視されます。実際はじまってみないとわからないですが、開業してうまくいくかどうかの判断基準の1人以上つになることは言えるでしょう。
出来れば店長レベルかそれと同等の管理ポストを経験しておくことをお勧めします。
◆事業計画
美容室を開業したらそれで終わり、ではありませんよね。美容室を繁盛させて起動に乗せていかなければなりません。
美容室の目指しているものは何かを明確にすることが事業計画書の本来の意味です。
あなたの頭の中の、たくさんのアイデアやプランを書き出すことから始めましょう。
開業運営は、当然様々な人たちの協力が必要になります。
事業計画は、あなた自身のみならずどんな場合においても、重要な役割を果たしますよ。
・内装工事でデザイナーと打ち合わせする場合に、サロンのイメージを伝えやすくなる。
・コンセプトやビジョンが明確であると、共感する人がスタッフが集まってくる。
・目標やビジョンが具体的であるほど、スタッフもわかりやすく働きやすい。
・価値の提供がはっきりしていると、お客様からも支持される。
計画がなければ、うまくいっているのかさえわかりません。
開業前に立てた計画と比べて、今の経営状態はどうかのを把握する指標になります。課題が浮き彫りになるので、起動修正も早めに行えることができます。
また、事業計画書の提出の際には、過去に雑誌やコンテスト等の掲載事例があると良い印象を与えやすいので、もしそういった資料があれば添付することもおすすめします。
経営の強みになると言えるでしょう。
◆個人信用情報
絶対に必要となるのが、個人信用情報がきれいであることです。
たとえば、下記のようなことが確認されます。
・過去5年以内に破産などの債務整理を行っていないこと
・過去2年以内に消費者金融等から借入をしていないこと
・水道光熱費などの公共料金をしっかりと遅れが無く毎月支払っているかということ
借りたお金を返すという責任感を持った人かどうかをチェックしていますね。
お金を貸す側の気持ちを考えてみれば、当然のことといえましょう。
債務整理や消費者金融などの個人信用情報には注意してください。
もし現時点でも滞納しているのであれば、すぐに返済することをおすすめします。
記録の程度問題と、他の要素である事業計画や自己資金で挽回できる可能性は十分あります。
まとめ
相談から融資までは日本政策金融公庫では1か月程度は期間を要します。
できる限り、余裕を持ち、審査を受けることができるように準備を行って申請を行う必要があります。
創業融資は一度断られたらもう借りることはできません。
半年待てば再審査を受けられますが、1度断られると2度目はさらに審査が厳しくなりますので、しっかり準備していきたいですね。