
美容室開業にも必須!?今の美容室が考えないとまずいコンセプト 基本の考え方
新しく美容室を開業するときに大切なのは「どんなサロンをつくるか?」というサロンのテーマを決めることです。
これは当たり前のようで非常に大切なことなんです。
お客様に選んでもらうためには、他の美容室にない「差別化」が必要になります。
いかにして、その差別化を考えていくかを紹介します。
目次
厳しい状況の美容室業界
美容室はオーバーストアの状態となっていて、出店するだけでは簡単には利益が出ない状況です。
さらには、美容師も年々減少傾向にあり、採用もかなり難しくなっています。
その中で勝ち残っていくためには、生き残っていくための戦略が必要になります。
技術が高いだけでは利益が出なくなっている美容室業界
厚生労働省などのデータによると、毎年美容室は1万店舗ほど、新規に出店しています。
その結果、現在全国の美容室の数は、約25万店舗ほどあるんですね。
全国のコンビニの数がおよそ5万店舗なので、どれだけ美容室の数が多いかがわかります。
ただ毎年美容室は約7000店舗ほどが廃業していますので、純増は3000店舗ほどです。
つまり非常に入れ替わりの激しい業界だ言えます。
10~20年前のカリスマ美容師ブームが絶頂のときは、技術力がサービス力があれば、うまくいく可能性は高かったと思いますが、今はそうは行きません。
美容室数が膨らんだ結果、お客さんを捕まえることも、美容師さんを捕まえるもの、大変な苦労が必要になりました。
その受け皿的に、カラー専門店や激安カット専門店、トータルビューティーを提供するサロンなどが生まれています。
ただ毎日の美容室経営をするのではなく、いかにして長期的に生き残っていくかを考えていかなければいけないのです。
誰に選ばれる美容室をつくるか?
お客様に選ばれるのが難しくなっているのと同様に、美容師に選ばれることも難しくなっていきています。
25万店舗ある美容室のうち、美容師免許を持ってている人の数はおよそ40万人です。
単純計算をすると、1店舗に2人もいない状況になっています。
下積み期間が長く、給与や勤務状況もあまり良くない中、女性の場合結婚や妊娠などで働きづらく、離職してしまう確率も高くなっていますよね。
なので、皆さんがご存知の通り、お客様に選ばれる美容室であるとともに、美容師にも選ばれる美容室づくりが求められているのです。
開業するタイミングであなたは、技術者から経営者に変わる
開業準備として、物件を探したり、店舗のデザインを考えたり、集客や求人のプランを考えたりするだけが必要なのではありません。
生き残りが非常に難しい美容室業界で、いかにして生き残っていけるかを真剣に考えておかないと、あっというまに閉店になってしまいます。
そこで自分のつくる美容室をどう成長・生き残らせていくのかを考えることが「経営者」としての第一歩となります。
美容室のコンセプトや事業計画書をいかに準備できるかが美容室オーナーとしての最初の仕事です。
なかなか変えのきかないところでもあります。しっかり考えるようにしましょう。
どうやって美容室のコンセプトを考えるのか?
美容室のコンセプトで大事なのは、自分の想いとお客様への考え方です。
なぜ美容室の開業をするのか?どんなお客様にどんなサービスを提供していきたいのか?
このコンセプトがお客様やスタッフの気持ちをつなぎとめる重要な役割を果たしていきます。
美容室のコンセプトとは夢の明確化
開業の準備を始める上で、非常に重要になっているのが、このコンセプトづくりです。
”コンセプト”とは店舗のデザインやレイアウトを決めることではありません。
もちろんそれも重要なのですが、それ以上に重要なもので、あなたのサロンの存続に一番影響を与えるものと言っても過言ではありません。
『コンセプトとはあなたの夢を具現化したもの』です。
美容室を開業するということは、世の中に新しい価値を創出していくことと同じです。
あなたがなぜ「美容室」を新しく「開業」するのか?
どんな「お客様」にどんな「サービス」を提供して、その結果どんな「価値」を生み出したいのか?
コンセプト(経営理念)の作り方や説明は以下の記事に詳しく書いています。
作り方が先に気になる方はこちらをどうぞ!
以下では簡単にコンセプトの説明をしていきます。
まずは美容室を開業・経営することで何をしたいのかを考えてみよう
コンセプトや経営理念、ビジョンのない美容室は長くは続いていきません。
なぜなら、自分自身がどういった美容室にしていきたいのか、何がしたいのかわからなくなるからです。
目の前の運営のことや短期的な考えにばかり時間を使ってしまい、どうあるべきかを考えられなくなります。
さらに、スタッフとの想いの共有も出来ない状態にもなり、離職や採用が出来ないという問題にもぶつかります。
最初はオーナーとなって、お金を稼ぎたい、束縛されない自由な働き方をしたいという想いだと思います。
ですが、それだけではないはずです。
こんなサービスがあったら、もっとお客様を笑顔にできるに。
こんなやり方を試したら、もっとお客さんを喜ばせることができるはずだ!
というような想いが必ずあるはずです。
あなたが美容室の開業と経営を通して、何を実現したいのかを整理してみましょう。
コンセプト(経営理念)の作り方や説明は以下の記事に詳しく書いています。
あなたの美容室のセールスポイントは?
なかなかセールスポイントをいきなり考えろと言われても、急にはできないかもれません。
それは作り方がわからないからです。
そこで単純ではありますが、簡単にセールスポイントづくりの第一歩を踏み出せるやり方を説明します。
情緒的価値と機能的価値
情緒的価値と機能的価値という2つの価値に当てはめて考えていくことで、非常に簡単に考え始めることができます。
何かしらの価値をお客様に届けなければ、ビジネスとして成り立ちません。
美容室の場合、髪を上手にカットするということが、機能的価値
サロンでの時間をリラックスできて気持ち良かったというのが、情緒的価値
この2つをうまく組み合わせることが非常に重要になっています。
この2つに沿って、他の競合店舗がどのようにサービスを提供しているのかも合わせて考えてみて下さい。
情緒的価値
情緒的価値とは、来店してくれたお客様の気持ちに訴えかける価値のことを言います。
例えば、来店したことで感じた、気持ちや感覚、雰囲気などが挙げられます。
このサロンだとすごくリラックスできて、気持ち良かったなぁというのが情緒的な価値を届けているということです。
まずは、自分の美容室にお客様が来店したときに、どんな気持ちになって帰っていってほしいのか書き出しましょう。
喜怒哀楽を中心に考え始めると楽にできます。
どんな喜びの気持ちがあるだろう?、怒って帰ってほしくはないな、お客様に悲しんでほしくない、楽しい気持ちでいってほしいな、など。
そして、どうやったらそうのような気持ちをお客さんに持ってもらえるのかをサービスの視点から考えて見て下さい。
笑顔で話しかけるのと、ぶっきらぼうに話しかけるのは違いますよね。その程度の違いがお客様の気持ちの大きな違いを生むのです。
機能的価値
機能的価値とは、美容室が提供できる機能面でお客様に訴求する価値のことを言います。
例えば、美容室で取り扱っているサービスや商品の持っている機能は、カットだったりカラーなら、思い通りの髪型になるや髪色になる、が機能的価値です。
これはかかる値段や時間などによって、お客様の求めている価値や期待値が変わってきます。
まずは、自分たちがお客様にどんなサービスを提供したいのか、それはいくらでどのくらいの時間でできるのか。
それは対象としているお客様からみて、価値があると思えるのか?自分がお客して来店したら、満足することができるか?
などを考えてみて下さい。
カットやカラーに限らず、シャンプーや物販なども含まれます。設備の使い勝手もそうですね。
自分がこの美容室で施術を受けるとしたら、どんな機能を求めるのか、紙に書き出してみましょう!
まとめ
ここまでコンセプトの大切さや、その参考になるものを挙げてきました。
美容室を開業していく上で、このコンセプト=経営理念は非常に重要なものです。
これが日々の考え方や行動の指針となり、毎日の結果に繋がっていきます。
簡単にかっこいいものはつくれません。だけどつくらないとなにも始まりません。
まずは簡単でいいのです。
日本一お客様を満足させる美容室をつくる!
と決めれば、
どんなお客様が相手だろう?
どんなときにお客様は満足してくれるのか?
そういった美容室はどんな美容室だろう?
今日本で一番の美容室はどこだ?
どうやったら、そういった美容室にちかづいていけるかな?
などと考え始めることができます。
その思想が、お客様を惹きつけ、スタッフを惹きつけ、長く続いていく美容室に繋がっていくのです。
ぜひ開業するときは、まず美容室のコンセプトから考えてみましょう。
これには正解がありません。あなたの夢がコンセプトの第一歩ですよ!!