
美容室の値上げで失敗しないために考えておくべきこととは?
目次
お客様の気持ちを無視した「値上げ」は失敗する!?
美容院のメニュー価格は、美容院側の言い値で設定されています。
では、今の価格より「値上げ」をしたときに、
お客様が減ってしまう、全体の売り上げが今より落ちてしまう
といった失敗につながる「値上げ」ついてお話していこうと思います。
技術メニュー料金の安易な「値上げ」は失敗する
カット料金を500円「値上げ」したり、パーマ料金を1,000円「値上げ」すれば、単価はアップします。
でも、お客様の信頼を失う可能性が非常に大きいのです。
「単価を上げるため」
「お客様数が多すぎて薄利多売。1人当たりの単価をあげ、利益を出したい」
「スタイリストの給料を上げなければならないので収益を増やしたい」
これらは、完全に 美容室本位 です。
売上の事しか考えていない お客様を無視した 考えです。
では、納得できる値上げの理由とは一体どのようなものなのでしょうか。
「一流のスタイリストがマンツーマンでシャンプーからマッサージまで担当するようになりました!」
「質の高いシャンプーに変えました!」
これらも、一見お客様本位には見えますが、本当にお客様が望んでいることなのでしょyか。
技術提供もサービスも今まで通りでいいので、価格も変えないでほしい!
といったお客様もいるのではないでしょうか。
全てのお客様の納得を得ることはとても困難です。
しかし、お客様のことを考えての「値上げ」だと感じてもらえれば、
「値上げがあっても、来店します!」
という美容室のファンでいてくれるお客様は残ってくれます。
つまり
・「値上げ」で離れす、お店に共感し、信頼してくれるお客様の維持
・「値上げ」によるサロンスタッフの意識改革
・「値上げ」によるサロンスタッフへの還元率の向上
このような前向きな値上げは必ず成功します。
単価を上げる場合は、コースメニューや高単価商品を開発して、販売する。
単価は商品(技術)の値段と戦略で決まるのです。
大切なことは、単価を上げるために安易な「値上げ」をするのではなく、
サロンをよりよくする、美容室が成長していく、その結果、単価が上がるのです。
プラスメニューによる単価アップは失敗する
「カラーリングをするなら、プラス料金でこちらのトリートメントをすることをお勧めします」
「このスタイリング剤をプラスするとスタイリングしやすいですよ」
このように、美容師がお客様にプラスメニューをお勧めする光景がよく見られます。
美容師は親切な気持ちでお勧めしていることが多いのですが、
「勧めれたトリートメントを断ると気まずいかな」
「これは買わなくてはいけないのだろうか」
お客様にとってはこんな心理的負担がかかり、居心地の悪い空間になってしまいます。
では、プラスメニューを追加してもらうにはどうしたら良いのでしょうか。
それは お客様に選んでもらう ようにすることです。
例えば、お店で提供している全ての技術メニューのパターンをまとめ、
プラスメニューをつけたコースもコースのメニューに載せておきます。
そして、お客様に選んでいただくのです。
ワンコインメニューは失敗する
ワンコイン、つまり500円で施術できるメニューを開発し、お客様との会話の中でお勧めするとします。
「500円でトリートメントに良い成分を入れることができます」
「ハンドマッサージを500円で追加できます」
確かにお客様の中には「500円だったらしてもらってもいいかな」と思ってくださる方もいるかもしれません。
ですが、そのために美容師が会話の糸口を探したり、タイミングを見計らうためにつかう労力は計り知れません。
500円分の対価はないと言っても過言ではありません。
ですが、「してもらいたい」と思ってくださるお客様もいます。
そこで、ワンコインメニューは残しておき、キャンペーンで無料にしたり、セットメニューを頼まれた方への特典などにすれば、
通常500円で施術してもらうものが無料!ということで、お客様の満足度はとても高くなります。
原価で料金設定をすると失敗する
美容室の経営者からしたら、
「これだけ高価なトリートメントなのだから、これくらいの価格設定にしよう」
となりがちなですが、技術の原価、商材の原価はお客様にとっては全く関係ないものです。
お客様にとっての適正価格は、
「得られる納得感」であり、「感じる価値」なのです。
「感じる価値」の中には、技術、接客、サービス、空間などの全ての要素が含まれています。
お客様の期待を上回るサービスができ、お客様に納得して頂ければ、他から見て高いと感じても、来店してくれているお客様に満足していただけます。
「価格以上の価値を加える」
「価格以上の魅力を作る、伝える」
これで、「値上げ」はお客様にとって価値あるものにもなるのです。
時間で料金を決める
お客様にとって、、時間をかけたいメニューと時間をかけたくないメニューがあります。
リラクゼーション目的のヘッドスパや、髪の内部に浸透する時間をかけるトリートメントなどは時間をかけたいメニューです。
これらは時間によって高単価にすることもできます。
しかし、適正時間で同じ結果になるメニューだと、早い方がお客様にとって価値が高くなる可能性があります。
やはり 施術時間で値段を決めてはいけません。
時間と料金は必ずしも比例しないのです。